北陸中日新聞「伝馬船遊覧 粋な風情を 氷見・湊川 月に1日復活」2020年9月18日
9月22日のsur la Minatogawa 湊川のほとりで〜は、アペロだったりものづくりワークショップだったりゲストトークだったりしますが、わたしたちの大切なてんません遊覧もあります。 北陸中日新聞さんが、そんな想いを丁寧に紹介してくださいました。
https://www.chunichi.co.jp/article/122789?fbclid=IwAR0h2F2Qw7joT-oOrd73KznUIRMdxh_pFk3COY3wp2u2Xa3wF5Pj7RM-vuA
以下、記事を引用
手こぎ木造和船の伝馬船(てんません)に乗って氷見市中心部を流れる湊川の川面から景色を楽しむ「てんません遊覧」が、今夏から月に1日復活し、粋な風情が市民や観光客を楽しませている。今月は22日に行われる。(小畑一成)
伝馬船は氷見では「天馬船」と表記され、かつて定置網漁や移動で使われた伝統的な船。船をつくる市内の船大工・番匠光昭さん(74)らの実行委が二〇〇九年から四月の花見の時期に遊覧体験を行ってきたが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となった。
新たに遊覧を催したのは、同市朝日本町の湊川沿いにある古い倉庫を拠点に活動する社団法人「on the Minatogawa」(オンザミナトガワ)。代表の林美湖(よしこ)さん(52)は花見遊覧を体験し「川面からの景色が新鮮で、散歩する側からも湊川に和船が浮かぶ風情がすばらしい」と感動。船頭と話をするうち、木造船が行き来した昔の風景を再現したいと思ったという。
番匠さんから船を借り、林さんら女性二人で今年五月に練習を始めた。七月にオンザミナトガワが月に一度開く催し「オンミナデー」でデビューし、今では中高生を含む五人が船頭を務める。
遊覧は二十二日午後三〜六時。大小二隻が出航。市図書館前で乗船して下り、復興橋までの往復約一・六キロを三十分ほどで航行する。乗船料(市民千円、市外在住者二千円)を伝馬船の購入費に積み立てる。
林さんは「盛夏を過ぎて川風がとても気持ちいい。川風を感じながらゆらゆらと漂うと現実から遊離するようです」と乗船を呼び掛ける。当日は倉庫でのワークショップなども催される。
プラスチック船登場で姿消す
氷見市博物館によると、市中心街を流れる湊川はかつて川幅が広く、江戸時代には川沿いに米蔵が並ぶなど物流の大動脈だった。伝馬船は、流域から海の千石船などへ人や物を送るはしけとしても使われたが、一九七二年に強化プラスチック船が登場し、川舟とともに姿を消していった。広瀬直樹学芸員は「木造船がイベントで継続して活用されていることがうれしい。身近で姿が見られることは全国的にも恵まれていると思う」と話している。